筋肉の代謝向上効果
筋トレ系ダイエットの流行後、筋肉をつけたのに痩せないという声をよく聞ききます。
筋肉をつけさえすれば、代謝が爆上がりして痩せるとお考えの方も多いようですが、みなさんが思うほど代謝は上がっていません。
筋肉を1㎏つけると1日あたり50kcal代謝が上げるといった景気の良い文言もよく目にします。
しかしこれは、あまりに盛り過ぎた数字です。
筋肉と代謝
筋肉1kgの基礎代謝量は、間違いなく13kcal/日です。
1㎏の増量で50kcal/日の代謝アップ効果!と書かれるのは、重量あたりのエネルギー代謝量が筋肉よりはるかに高い内臓や脳を含めた「除脂肪組織」が1㎏増えたら、という計算です。
筋トレの代謝向上を主張する人々は、この数字を根拠にしています。
代謝が筋肉の15~30倍以上もある臓器を含めて平均で算出するのは、ちょっとセコイ計算方法です。
※筋肉は重量あたり、除脂肪組織の中で最も低いレベルの代謝量です。
筋トレ推しの業者いわく、トップアスリートは内臓の大きな人が多い。筋トレで内臓も鍛えられるから、臓器を含めての計算で良いのだ!という考えです。
いやいや、1㎏増量レベルの筋トレで、どんだけ内臓デカなんねん!という話です。
このような主張はさすがに、盛り過ぎにもほどがある書き方ですね。
ネット上にはこのような書き込みがあふれています。
混同しないように注意
そもそも“筋肉の基礎代謝量”の話をしているところに、内臓もデカくなるはずだという盛り過ぎの“筋トレ効果”の話を持ってくるからややこしくなるわけです。
これらを混同させる書き方は注意が必要です。
真に受けて頑張っても、筋肉増量したのに痩せないという大誤算が生じます。
筋肉1kgの増量で、基礎代謝は13kcal/日増加する。
1kg増量のトレーニング効果としては、もう少しプラスアルファがある(かもしれない)という程度だと考えておくべきでしょう。
筋肉増量を目指すのは健康的ではありますが、これでダイエットできるというのはさすがに言いすぎです。
医療機関の肥満症の改善プログラムにも、筋トレは組み込まれていません。