ダイエットとリバウンド
リバウンドを努力や根性で乗り越えられるというのは、とても大きなカン違い。
ダイエットは体が元に戻ろう(リバウンド)と働き始めたらその時点で終了、ゲームオーバーなんです。
リバウンドをしっかり理解するというのは、人生において重要なポイントです。
この頁には、何度もリバウンドしてきた方必見の情報が詰まっています。
強力な現状維持システム
人体が恒常性を保つ(=安定現状維持)働きの「ホメオスタシス」という言葉は主に体温や血圧において使われていますが、この強力な体の安定状態維持システムはダイエットに関してもゴリゴリに働きます。
私たちは無理を通すと短期間で大きく体を変えることもできますが、体は無理をするほど大きく反発し、強力な力で元に戻ろうとします。
このような人体に備わる恒常性を保つシステムが、ダイエットに対してリバウンドを引き起こします。
努力が足りないわけではない
覚えておいて頂きたいのは、何度もリバウンドを繰り返してきた方も決して努力不足だったわけではないということです。
ダイエットしても結局元の体に戻っていたのは、単純にリバウンドを引き起こす方法を続けていたからにすぎません。
短期間で結果を出すタイプのダイエットは最終的に必ずリバウンドしますし、王道の食事制限でさえ頑張りすぎると体が反発(=リバウンド)してしまいます。
体はゆっくりとした変化を許容しますが、急激な変化には容赦なく反発し、空腹ホルモンをモリモリ分泌。
少し気を抜いただけで食欲がコントロールできなくなります。
こうなるとダイエット前の「安定していた状態」の体に戻るまで時間はかかりません。
※短期系ダイエットにおけるチートデイは単なるガス抜きで、リバウンドを少し先延ばしにしているだけです。
努力不足ではなく、むしろ頑張り過ぎがリバウンドを誘発します。
ダイエット業界の罪
これまでの痩せれなかった、頑張りきれなかったのは自分のミス。仕方ない。という自責思考は間違いです。
責任の半分以上は、王道ダイエットを否定して短期系ダイエットを推奨し続けるダイエット業界にあります。
「カロリー計算よりよりプチ断食」や「食事量ではなく糖質量」といった基本的な痩せ方を否定して、短期的な痩せ方へ誘導する広告や記事は、意識の中に自然と刷り込まれています。
私たちは知らず知らずのうちにこれらの文言から大きな影響を受けていて、魅力的な(ように見える)新しいダイエット法をつい選んでしまいます。選ばされているとも言えます。
ダイエット業界が推す短期間でスリムな状態を目指すダイエットは、一度大きく痩せてもリバウンドするものばかり。
業界発信の情報ではいつまでも痩せれないばかりか「一度は痩せた」という成功体験だけが印象に残ります。
前は頑張り切れなかったからリバウンドしてしまった。だから次はもっと頑張ろう!とポジティブになるとドツボにはまるので困ったものです。それこそダイエット業界の思うつぼです。
短期系ダイエットの間違った成功体験やメディアの刷り込みといった「業界の囲い込み戦略」から抜け出すのは、個人の内省的思考だけではなかなか難しいところです。
業界が発信するのは「今」痩せれたら十分という方に向けたダイエットです。受け取り方を間違えてはいけません。
キッチリ痩せたい。リバウンドは避けたいということなら、短期系ダイエット思考からの切り替えが必要です。
考え方の違い
ダイエット業界は「必死で努力すれば痩せる」と主張しますが、リバウンドは一切関知しません。「短期間で大きく変われたんだから十分でしょ?オッケーオッケー」というスタンスでいます。
メディアは正しいダイエット情報を発信していると信じる消費者と、「こんなスリムになれる方法、ありますよ!」と無責任な情報を垂れ流す業界は根本の所で大きくズレています。
大手ダイエット業界は自分たちで流行を作り、その時その時で売りたいものを勝手に売っているだけです。
親切に正しいダイエット情報を教えてくれているわけではないのです。
相変わらず業界が推す「新しい、良さげなダイエット」を次こそは!と信用しても、やっぱり毎回リバウンドします。
業界は常に短期間で結果を出すタイプのダイエットを推してきます。
リバウンドは短期系ダイエットの宿命であり、業界は何度もチャレンジしてくれる「めげないリピーター」から搾取し続けているのです。
今まで流行したダイエットで、本当に良かったものなど一つもありません。
次は頑張ろう!と思いながらもつい短期系ダイエットを選んでしまうと、また業界の養分になるだけです。
この点についての認識で次のダイエットの成否が変わります。
リバウンドを避けられるのは、現実的で堅実なダイエットに切り替えた時だけです。
体が反発(=リバウンド)を起こすボーダーラインについては、すでに研究結果が全世界で共有されています。
戻る?戻らない?リバウンドが起きる基準値
体がリバウンドするボーダーラインは、1ヶ月あたり体重の5%の減少です。
体重60㎏の方なら、1ヶ月あたり3㎏です。
5%を超えて体重を減らすダイエットは、ほぼリバウンド確定です。
逆に、5%を下回るほどリバウンドを回避するのが容易になります。
無理をしないダイエットであるほど、体は反発せず「新しい状況に適応する」道を選んでくれるようになります。
誰も元に戻ろうとする体に逆らえない
体が恒常性を保とうと、つまり以前の体に戻ろう(リバウンド)と動き始めたら、どれだけ頑張っても勝てはしません。
体は食事を大きく減らすと代謝をグッと落としてエネルギー危機を乗り越えようと対応しますし、運動で大量のカロリー消費を狙っても、免疫や生殖機能を低下させて対応、努力を帳消しにするよう働いてしまいます。
無理な食事制限でも、頑張りすぎの運動習慣でもリバウンドしてしまうのはこのためです。
体はこの働きと同時に、不足しているカロリー(エネルギー)を取りもどすため空腹ホルモンをガンガン分泌します。
短期間限定であれば空腹ホルモンの影響を退けることも可能ですが、中長期的に抗い続けることは現実問題として不可能です。
人は自分の意思決定より上位の命令=ホルモンの影響からは逃れられないと知りましょう。
そもそも体内の調整は体まかせ
私たちは、体内環境の調整については完全に体まかせです。
例えば体は熱をもっても冷たくなりすぎても、汗をかいたり体をブルブル震わせたりしてオートマチックに対応します。
血圧の上下動もホルモンの分泌で対応しています。
熱をもった体から汗が排出されるのを止めることができないように、ダイエットでの急激なエネルギー危機に反発・リバウンドする状態は、誰にも止めることができません。
意思の力は体の働きに対して無力です。
体に無理を強いると確かに一度はスリムにもなれます。しかしその状態は体が反発し始めるまでの期間限定です。
凄く頑張ったら凄く痩せるハズというのは、多くの女性が持ってしまっている幻想です。これは完全に短期系ダイエットの考え方。
ダイエット業界による、ある意味「洗脳」から抜け出した先にリバウンドしない痩せ方が存在します。
ダイエットを選ぶ際には、業界発信の偏った考え方に染まっていないか、今一度省みてはどうでしょうか。